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『ノマド』と『アマゾンで・・・』ほか

ここのところ、元号関係の番組ばかりやっているテレビ。
世の中、そんなに改元で盛り上がっているのだろうか?
元号法制化の問題で揺れていた時代のことが、嘘のようだ。
元号は使わない、って方針で仕事をしていた頃
(だから西暦で文書を作って、そのたびに元号での書き換えを上司から迫られた)
それでも仲間は結構いたはず。
いつの間にこんなに天皇制が受け入れられてしまったの?
(元号制と天皇という人格の問題がごっちゃになっていることもあるけれど)
明治時代の「ケンプのはっぴ」と間違えられた憲法発布騒ぎを想像する。

さて最近読んだ本&読んでいる本。
・『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場』
『ノマド:漂流する高齢労働者たち』
・『82年生まれ キム・ジョン』
・『アンダークラス』(ちくま新書)
・『未来の再建』(ちくま新書)

どれもこれからの日本のこと、自身の暮らしのことを考えて寒くなる話。

『82年生まれ』はフェミニズムの視点から書かれているといってもいい。
結婚して夫と子どものいるある女性が、突然、解離性人格障害のようになってしまう。
彼女やその祖母、母が韓国という社会でどう生きてきたか、生き方を縛られてきたのか、
証言のように書かれていて、読んでいるうちに苦しくなってきさえする。
まぁ日本だって、わたしの母だって男尊女卑の考え方を押し付けられて似たような思いで
生きてきたということを考えれば、さして遠い話ではないし、想像はつく。
でも、女性の生きにくさに対する表現のしかたがたぶん日本とはかなり違う。
日本ではこんな反発や告発に似た表現ははたぶん成立しない。
もっと穏やかに陰湿に事は進んで、問題の解決にまでたどり着きにくいだろう。
だから、こんな作品を書き受け入れる韓国の女性の強さに圧倒される。

『ノマド』も『アマゾン』も高齢の労働者や外国人労働者・低賃金労働者の問題を
扱っている点では同じ内容だ。
ただし『ノマド』はアメリカ人ジャーナリストがアマゾンなどの季節雇用で働く高齢労働者
のことが書かれている。
住む場所もなくなり車で生活をする高齢者へのインタヴュー。
仕事は過酷であっても、希望も持ち続ける人たちという書き方だ。

同じアマゾンの倉庫で働いていて、労働の内容・生き方のしんどさは同じであろうに、
アメリカとイギリスのアマゾンの受け入れられ方は大きく違うように感じられる。
『アマゾン…』の方はイギリス人ジャーナリストが潜伏取材し、実体験したうえで書かれている。
そのせいか出口のないイギリス社会が見えてげんなりする。

どちらにしても自己責任が貫徹した社会のなれの果てを書いていて、
日本もいずれこうなるのかなぁと思うとしんどい。

こういう自己責任で勝手に生きろという世の中をどう変えていけるのか?
『未来の再建』では労働組合がカギになると書かれていた。
ほかにベーシックサービスの保障(ベーシックインカムではない)とか、
最低賃金を1600円以上にするとか。
でもそもそも労働組合を新たに結成するのはとっても難しいことだし、今までずっと
先細りの一本道だったわけだから、それをどうやって盛り立てていくのか?
社会運動の連携で、というけれどいまひとつピンとこない。
アマゾンやウーバーなどでの労働など、どんどん短期雇用にシフトしていく労働現場では
組織をくみ上げる時間さえない。
労働組合を恐れて雇用側が地道に固めてきた道を、どう崩せるのか、
ぜひぜひ考えていきたいことではある。

買い物に行く道の途中にある公園ではメーデーの集会を小さいながらやっていた。
「令和!」だけではなさそうだ。

by hamuneko7 | 2019-05-01 18:27 | 読んでいる本のこと | Comments(0)

ゆっくり,ゆっくり。


by hamuneko7
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