『民主主義の死に方』

困ったものだ。
10月半ばころから親指を除く手の指が痛んで、どうも治まってくれない。
最初は突き指をしたように腫れて痛み、その後はいろいろな痛みかたが
続いている。
PCのキーをたたくのも痛いのだけれど、かえって横になって
何もしないでいるとますます不快感が強まる。

手の手術後、ありがたくも夫はほぼ毎日夕食づくりをやってくれている。
それなのに!なので、なおのこと困った困った。
アクセサリー作りは中断。
片付けをするつもりが、服を何枚かたたんでおしまいだったり。
使うと痛い、使わないと筋力や代謝が落ちて、痛みの原因になる。
はてさてどうすればいいものか・・・

ところで、
ブラジルの大統領選挙、第2のトランプと言われているらしい
ボルソナロ氏が当選したというニュース。
ドイツもスウェーデンも極右に近い政党が勢力を伸ばしている。

何週間か前に
スティーブン・レビツキ―/ダニエル・ジブラッド
『民主主義の死に方』(新潮社)の本のことを書いた。

この本の評価は分かれているようだけれど、わたしとしては
面白く読んだ。

トランプが大統領にえらばれる前から、その下地は出来上がっていたという。
政党同士がお互いを同じ土俵に乗ったライバルとして考えているうちは
抑制が効く。
この時点では、政党を離れれば、お互い同じ人間であるから。
バスケットボールのようにゲームとして考えられていれば、
ここまではやっていいけれどそれ以上のことはだめだと、
お互いの信義則で自制しあえるから。
けれど、お互いを「敵」とことんやっつける対象と考えるようになると
民主主義は壊れるという。

相手の人格を攻撃したり、嫌がらせや脅しを使ったり。
人種差別を入り込ませたとたん、そこは相手を憎み息の根を絶えさせる
という発想が前面に出てくる。
同じ土俵に乗って話しあいでの解決はできなくなる。

そういった土俵が1978年のキングリッジ氏(下院議員選挙)での
民主党攻撃から急速に作られてきたとこの本では分析している。

・ビル・クリントン、ブッシュ、そしてオバマと
 民主党・共和党とが互いに不寛容になり、二極対立が決定的になったこと。
・人格非難、メディア批判、議会を無力化させる制度や方法がとられてきたこと。
 こういったことがどんどん進んできた。

オバマ氏の時。
彼はアメリカ人ではないという非難から始まった。
議会、本来なら良識をもつはずの上層部の上院議員、ティーパーティーといった
外部組織などが、オバマ氏の政策をつぶしにかかり、
それに対してオバマ氏も
(民主主義の議会を通すという方法が機能しなくなたとみて)
議会を通さず大統領覚書など、大統領権限でできることを増やしていった。

結論を簡単に言えばこうだ。
・トランプ氏のような候補をまず身内のなか(共和党のなか)でださないという
よみがえさせること。
・共和党は、長いあいだ白人と保守のキリスト教徒だけに支えられてきた。
けれど時代が変わり、経済も社会もかわってきていることに対応していないと
いうことを自覚し組織を刷新すること。
・政治を2極対立にしないこと。
民主党も共和党を敵視せず相手を挑発したり相手の非民主的なやり方を
踏襲しないこと。
今までにアメリカ内で培われたルールや規制を守って、制度的な手段があれば
まずそれを最大限生かすこと。
・政党内、政党外で共同戦線をはれるような緩やかなまとまりを大事にして
そこで極端な政治を阻止すること。
・ベーシックインカムや福祉制度、社会保障制度、医療制度を見直すこと。

まぁこんな感じ。
結論で?と思う人もいるかもしれないけれど、政治は時間をかけてなんぼのものだ
という意識が大事なのかも、と私は思う。

それについては
木庭顕『誰のために法は生まれた』という本に、法の役目と政治の役目が
説明されていてなるほどと思った。
ギリシア・ローマ法の研究者である木庭氏と中学高校生の対談型授業の
実践報告になっている。
映画とか近松の戯曲、ギリシア悲劇をテキストにして話を展開していて
読みごたえがあった。

と、ここまで頑張って書いたのでこのへんでおしまい。


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by hamuneko7 | 2018-10-29 23:45 | 読んでいる本のこと | Comments(0)

ゆっくり,ゆっくり。


by hamuneko7
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